専門家には知識と経験と基礎力と応用力が要る。
素人はそれが基準値に達していない者、また総合力がまだ足りない者を指す。


さて。知識や経験といったものがどんな場面で活用できるかというと、
 ・日常の会話や原因調査時の仮説立て
 ・解法の発見のためのいろいろ
 ・定型化、定量化のためのいろいろ
っとまー小さなことから大きなことまでほんとにいろいろある。
けどここでは小さなことに焦点を当ててみる。


一つの問いをあげる。
フレームワークが万人に使えるものなのか?
答えは否である。
プログラム開発において、フレームワーク閾値を下げるためのものすごい有効な手段である。
しかし、素人にでも扱えるものかといえばそんなことは無い。
それなりの知識と見解と実行力は必要なのだ。
現代においてその他大勢よろしく集められた「技術者」の中に、耐え得るだけの技量を持った者が何人いるだろうか。
ITSS日経BP社の調査結果でみても、約半数がエントリレベル以下であるとある。
レベル3はほんとに欲しい。
レベル1〜2相当の人員の中で、それでもいけると思ってた時期もあったが、現実の前にえれぇ難儀なことだと思い知った者がそう語る。


現実問題として。
フレームワークもある一定の手順とルールがある。
それを理解し、特性を解さぬことには有効活用は難しい。
考えなければ次に起こる問題への対処はできないからだ。
用語もわからん、手順もわからん、これを何のために行うのか理解に苦しめば、必然として作業をこなすのに時間がかかることになる。
つまり。
フレームワークと言えども継続する作業は必要であり、
それをこなし続けることは誰にでも出来ることでは無いってことである。


もし。
フレームワークの完成度が素人にでも扱える代物にまで仕上がっているのであれば。
開発に必要な時間は、ボタンをポチっと押す程度で済む。
規模が何十人月であったとしても、必要な人員は1人で済む。
このように考えなくてよい作業はフレームワークの上では瞬時に終わるのだが、それでコトが済むことなどない。


これが何を意味するかというと。
素人に(毛が生えたもの)やってもらう作業があるにしろ、あったにしろ、
その他を担うものたちが行っている作業が終わる前にそれは終了するってことだ。一瞬だしね。
つまり素人達に遊びの時間が出来る。
とはいえ、ここまではいい。
問題はその後。
その遊びが出来た素人を今度は専門家の領域に放り込んでくる管理者がいることにある。
プロジェクトの失敗の理由のうちで、おそらくえれぇ大きな要因ではなかろうか。
足を引っ張る存在がここに出来上がることとなるのだ。


このマイナス要因をゼロに変えるだけでもだいぶ違うが、
それが無く、プラスの要因だけで開発に当たることができれば有効だとは言えないだろうか。
専門家達の舞台に素人がしゃしゃり出てこなければ無事に終わるのだ。


ゆえに。
素人が一人前になるまでの道のりは舞台脇に用意し、
舞台は専門家のみで公演するのがいい。
っと至極珍しくもなんともない内容を口にするのだが、
ソフトウェア開発業界は、なぜか実現できていないのが多い。
だからあえて口に出して主張する。